アイディアで戦えるに人間になりたいと言った19歳の少年に伝えたかった、未来を創るためにこれからやるべき5つのこと
19歳、建築デザイナーを目指すという男の子の相談を受けました。
彼はとある建築学科のある大学に通っているものの、今は休学してアメリカ留学の資金を貯めるためにバイトをしているとのこと。
彼は孫さんの
~未来を創る若者たちへ~孫正義、山中伸弥、五神真、羽生善治の4氏による対談 - YouTube
動画を見て
「今まで教育を受けてきても、それが実際社会に出た時、どれだけ意味を持つのかが分からない」
「僕は家が農家なので、トマトを作るために土を整えて、肥料をやって、水の管理をして、実を結ぶためにハチに花粉をつけてもらうという農業の実際を見てきましたが、これらのことは、AIやテクノロジーが解決してくれるのではないでしょうか。土の成分や水の量もデータで管理して、花粉もある範囲に自動的に噴射して受粉させるとか。その時、人は何をすればいいんでしょうか。人の価値はなんなのでしょうか」
「学校の教育は知識を詰め込むばかりで、何かを知っていることが大事だと教わっているけど、手元のスマホとか、なんらかで調べたいものを瞬時に調べることができてしまったら、"知っていること"自体に価値はなくなってしまう」
「デザインも、ただかっこいいものとか、オシャレなものを作るのではなく、人が喜ぶ、人を幸せにするものを作りたい」
「でも、今は力がない、頭もない。どうしたらいいのか分からない。だからアメリカに行って、様々なものを見てこようと思っているんです。そして、アイディアを生み出せるようになりたい」
と言います。
昔の自分を見ているようで懐かしさと嬉しさを感じました。
ギラギラして、生きることに積極的で、頑張って戦っていこうとしている気持ちが伝わってきたからです。
時間もなく、少ししか話すことができなかったのですが、私が彼に伝えたかったのは
・若さは可能性である
・為し遂げるために色々なことが必要になるが、絶対に正しい順番などない
・たくさん勉強をすること
・たくさん行動すること
・考え続けること
ということです。
若さは可能性である
身も蓋もない言い方をすれば、「人生のうち1番若いのは今」だから、何かを始めるのに遅いということは何もないのだけど、年齢が若いということは大きな可能性を秘めている。
若いと、まだ思考が柔軟であり、吸収力がある。物事を素直に受け取り、感じ、考えることができる。刺激に敏感なので、違和感や共感を強く持つことができる。
言葉や論理はまだ追いついてこないかもしれないが、感情や想い、気持ちがある。そして素直に等身大話すので伝わりやすい。
想いが伝われば、共感してくれる人、協力してくれる人、助けてくれる人が必ず現れる。自分の過去に重ねるように見てくれて応援してくれる人もいる。
もちろん批判もあるかもしれないが、批判すら糧に変えることが必要だし、批判がなければ改善ができない。
失敗ができる。成功するためには失敗との戦いである。どれだけ失敗したのか、その失敗についてどう考えて、どう改善するのか、それとも諦めるのか。1/100の確率で成功することでも、99回失敗すれば成功にたどり着く。若いうちは失敗も許してもらえる。人は失敗する生き物だから、特に若ければ仕方ないという目で見てもらえる。なぜなら失敗の影響力が小さいから。
だから、自分が今やるべきだと思うこと、やりたいと思うこと、何をしてもいい。
アメリカに行って目線を鍛えてもいい、先にお金を手に入れてもいい、建築デザイナーとして力を身につけてもいい、仲間を増やしてもいい。
それらは全てが失敗も成功も含めて君の財産になるから。
為し遂げるために色々なことが必要になるが、絶対に正しい順番などない
私は建築家でもデザイナーでもないが、どちらの仕事にも友人がいる。
ゼロをベースに相手に向き合って悩んで答えを出す仕事だと思うし、そういう意味では私仕事もそうだ。
まだ若い知識経験の身では、軸となる仕事の能力、知識、経験はもちろんのこと、世の中のお金の流れの仕組みや、そもそもお金を稼ぐとはどういうことなのか。世の中の人が何を考え、思って、日々を生きているのか、今の世の中の不満なことはなにか。最先端と言われる物事はなんなのか。流行はなにか。伝統として残っているものはなにか。世の中にある物には何の意味があるのか。見えるニーズと見えないニーズ、自分の目指す世界、自分のやりたいこと、大切にしたいもの、喜ばせたい人、泥臭い現実と成し遂げたい理想。夢を目標に落とし込むための計画性、目標を達成するための行動力。
など、それこそ考えること、知ること、やらなければならないことは色々ある。
しかし、どれからやればいいのか、どういう順番でやればいいのかは、人によって違う。
セオリーやメソッドのようなものも確かにあるはあるが、100人いたら100人を成功に導く方法などない。自分の内と話し合いながら、一歩一歩進むことで少しずつ目の前が見えるようになってくる。
焦らず着実に力を身につけていくしかないし、正しい答えもない。失敗と成功を繰り返しながら自分の歩く道を正解にしていくしかない。
だから、簡単なことではないし、すぐにできることでもないかもしれないが、自分の判断で、自分の責任で選んでいくことが大切だということ。
たくさん勉強をすること
たくさん勉強をすること。
現代は本当に恵まれた時代で、情報にあふれている。
過去の天才が残した発明や研究に触れることもできるし、偉大なアーティストの作品を生で見ることもできる。過去に生きていた人の成功も失敗も、悩みも、問題の解決も、本で読むことができる。
凡人な自分一人の頭では一生かかっても思いつかないような考えを、本や動画を通して一瞬でインストールすることができる。
歴史も、宗教も、数学も、経済も、社会も、科学も、人間心理も、脳の使い方も、まなぶことで、自分の考えを深めたり、修正したりすることができる。
そして、一説によると、現代人の1日に触れる情報量は平安時代の一生分、江戸時代の1年分だと言われている。
知識は行動に大きな影響を与える。よく知ることは、自分の行動をコントロールすることにもつながる。そして、情報量が多い現代では、偽物の情報や、嘘の情報もあります。勉強を重ねて、惑わされないようにすることも大切。
勉強しなければ、自分が考えたことだけで判断してしまう。自分の本能で判断してしまう。自分の好き嫌いで判断してしまう。
勉強をすると、行動の先に予測が立つので、リスク回避をすることができる。
例えば「フグの肝は毒があるから食べてはいけない」というのは、過去の人が身をもって証明してくれているから、私は絶対に食べない。
そして、理屈で考えることができる。どういう人が、どういう時代に、どう考えて、どう行動したのか。じゃあ自分は、今この時代に、こう考えて、こう行動するのだ、と、自分の立ち位置を明確にして生きていくのを可能にするのが勉強。
また、たとえすぐに情報にアクセスできるようになっても、その情報を取捨選択するのは自分で、その情報をどう使うかは人によって違う。
調べて見つけたものよりも、自分の頭から生み出した物の方が、独創的でパワーがある。
だから、本を読んで、場合によっては動画を見て、いろんな人の話を聞いて、勉強すること。
たくさん行動すること
想像しているだけでは世界は変わらないし、夢は叶わない。
考えているだけでは、いつまでも正解は見つからないし、現実は動かない。
たくさん行動して、反応を受けて、修正して、新しいことにどんどんチャレンジしていくこと。
孫正義は、大学時代に1日1個の発明をして、それを企業に売りに行ったと言っていた。モノづくりをしたいならどんどん発表して、どんどん悪いところを見つけて、見つけてもらって、アイディアを現実に落とし込んでいくのが大切。
また、人に会いに行って話を聞くのも大事。リアルなコミュニケーションを通して受け取る物、感じるものが必ずある。どんな仕事も一人では完結しない。人がどんなことを考えているか、知ることは何をするにしても大事。
そして、人は自分が経験したこと、体験したことから大きな学びを得る。
百聞は一見に如かず。
痛い目を見たら、絶対に忘れない。その痛い目をどう回避しようか考えることができる。そうして行動を修正していく。
学んだあとは、自分の感覚を信じること。
考え続けること
考えることにおいて、楽をしようとしない。
いつも目の前のことに、これはなぜなのかと問いかけ続ける。
人の価値は何なのか、AIやテクノロジーが発達した時代に人はどう生きるべきなのかは、自分で考えて答えを創り出していかなければいけない。
誰かの答えに乗っかるだけでは、自分を生きていくことはできない。
また、多くの人は自分の言うこと、やることが正しいように振る舞ったり、言ったりするが、完全に正しいことなど存在しない。
自分で正しさを創り出していくこと。選択を正しくしていくことが必要。
すぐに答えが見つかるものではないと知り、人の幸せとは何なのか、人の価値は何なのか、自分なりに見つけるしかない
まとめ
これから、いろいろと知って、見て、聞いて、やってみて、考えていくことになるけれど、それが生きていくということであり、未来を創り出すための一歩になるのだと思う。