• 【話題】寿司職人に、寿司アカデミーを卒業した学生が独立することについて聞いてみた。

    寿司屋にて


    寿司アカデミーについて、寿司の勉強をすぐに終わらせて、独立することについてどう思うか。

    「いいんじゃないですか?べつに。うちにも寿司アカデミー卒の人間が来まして、使い物にはなりませんでしたけど」


    「知識があるとか、美味い寿司が握れるとか、そんなのはスタートラインなんですよ」


    「毎日握ってれば、今日のシャリは良い粘り加減だとか、ちょうど良い硬さだとか、魚の脂のノリが抜群だなとか、誰でも分かって来ます。でも、美味い寿司を握れるからと言って、そんなのは大したことではないんですわ」



    「お客さんの顔とか、箸の進み具合とか、飲み具合とか、口元、箸元。そういうのを全部見て、お客さんとコミュニケーションを取りながら、寿司とか酒、あてをオススメして、おしゃべりをして、目一杯喜んでもらうってのが寿司職人です



    「20年やったってひよっこなんです」



    「寿司アカデミー出たからと言って、そのあたりのことは習いませんからね。
    教科書にも書いてない。
    自分で、カウンターに立って、お客さんと接して、毎日毎日考えながらやることなんです。
    アカデミーを出て、楽に知識を手に入れて独立しようと思ってるような人が耐えられる世界じゃないってことです」


    「知識を持つこと自体は悪いことじゃない。良いことだ。
    だけど、それで、俺は知ってる、分かってるって思い込んじゃって、素直じゃなくなっちまうんですね。
    知ってることはそれ以上知ろうと思わないでしょ。
    でもね、実はまだまだ知らないことだらけなんですよ。魚のことも、シャリのことも、人のことも。
    学ぶ姿勢がないと、頭打ちですからね」



    だから人間、素直なのが一番なんですよ
    世の中には一口に言えないことばかりで、日々色々なものが変わっていくから、常に学ばないといけない。
    そこに寿司アカデミーを卒業したんですけどっつって、変なプライドとか、傲慢さとか持ち込んでしまうような人は途端に折れてしまいますね。
    誰が間違ってるとか、誰が正しいとか、そういう話ではないんです。
    目の前のことから学べるかってことです。」



    「私はおしゃべりが好きなんで、こういうことも話しちゃいますけど、職人の先輩は、黙々と、そういうことを考えてるんだと思いますよ」



    美味い寿司は握れて当たり前、美味い酒を知ってて当たり前、そこからが勝負ですからね


    「だから、20年やっててもまだまだひよっこなんですわ。寿司アカデミーで3年?4年勉強したからって、それがどうかしたの?ってかんじです。」



    でも、どこの世界もおんなしでしょ?