中村勘九郎が歌舞伎で「恋ダンス」を踊ったことは現代の大衆演劇としての立ち位置を取り戻そうとする姿勢の表れである。
東京・歌舞伎座で行われた「第38回俳優祭」の模様が、4月30日(日)夜9時からNHK Eテレで放送されたのだけど、中村勘九郎さんが「恋ダンス」を踊ったことが話題になっていますね。
恋ダンス
これが歌舞伎の恋ダンスです\( ´ω` )/#俳優祭#中村勘九郎 pic.twitter.com/atRu5TyxCY
— レナさま (@rena0313) 2017年4月30日
「逃げるは恥だが役に立つ」で星野源が作詞作曲し、ガッキーと踊った「恋ダンス」はフィギュアの羽生くんも休憩中に踊ったり、YouTubeでも踊ってみる人が沢山いたり、最近では珍しいくらいに、世代を問わず受け入れられたブームでした。
踊りが可愛いとか、ガッキーが可愛いとか、星野源がカッコいいとか、色々理由はあると思いますが、2016年を語る上で外せない話題でしたね。
歌舞伎でその「恋ダンス」が踊られたことで盛り上がっています。
歌舞伎は大衆娯楽
さて、Eテレの「第38回俳優祭」を見てる訳だが…
— 甲府マララ@ロースペックばにレー (@kofumarara) 2017年4月30日
少しでも歌舞伎に興味があるけど、難しいんでしょ?って貴方!今すぐEテレ見る事をオススメしますよ!(・∀・)
元々歌舞伎は庶民の娯楽、時事風俗の演劇…ってのがよくわかりますよ…今年は「恋ダンス」(・∀・)#Eテレ#俳優祭
もともと、出雲阿国がエロい演出をして、遊女としての客を捕まえたようなかぶき踊りや、歌舞伎という語源が「かぶきもの」からきているように、目立ちたがりが茶屋で一騒ぎ起こすような劇をやったりするようなものであり、以前からあった能に比べて、大衆娯楽でした。
時代が下って、武家や公家の話題を扱った時代物と、町人や庶民の話題を扱った世話物とが生まれましたが、この世話物こそが、時事風俗をパロディして、みんなで楽しんでいたものなんですよね。
歌舞伎というと古臭いものと思いがちですが、意外に現代でも、時代の感性に合った演目もやっているということです。
中村勘九郎さんが「恋ダンス」を踊る意味
恋ダンスが、ちゃんと歌舞伎の踊りにアレンジされてるんだもの。
— ぬえ (@yosinotennin) 2017年4月30日
これぞ型破り。
しかしまあ、型破りですよね。
"真似"ではなく、あくまで歌舞伎の型をベースにしたパロディであり、勘九郎さんのモノにしているダンスでした。
能、文楽、歌舞伎と、日本文化のそれぞれは伝統を引き継ぐことと、新しい挑戦をすることのバランスに悩まされるところではありますが、こうやって、うまく時代とともに変化していくチャレンジができる勘九郎さんは素晴らしい歌舞伎役者ですよね。
まとめ
きっとこれからも、世の中の話題を取り上げた演目をやってくれると思いますし、歌舞伎への関心も高まるでしょう。
ぜひ注目して見てみてほしいと思います。