【食】サイゼリヤのメニューを見るたびに思い出す、食通がオススメする最高の楽しみ方。
サイゼリヤに行き、メニューを見るたびに思い出す文章がある。
もう2年前にもなるブログなのだが、サイゼリヤでのカップルディナーを本気で楽しむためのオススメメニューを提案した記事だ。
こちらである。
今回私が主張したいのは、サイゼリヤという店は(それが異性とのデートであっても)たいへん使い勝手の良いディナーレストランである、という事と、世の中のほとんどの人はサイゼリヤの正しい使い方を知らない、知ろうとしない、という事である。
からはじまって、
☆サイゼリヤ(俺が)おすすめお取り分けカップルディナーコース<アンティパスト>
・ミラノサラミ ¥299
・青豆の温サラダ ¥199 ペコリーノ粉チーズ¥69とミニフィセル¥169と共に
・フレッシュチーズとトマトのサラダ ダブルサイズ ¥598 *必ずドレッシング無しでオーダーする事<プリモピアット>
・ミネストローネ ¥299×2<セコンドピアット>
・粗挽きソーセージのグリル ¥399
・スペアリブのオーブン焼き ¥799<ドルチェ>
・イタリアンプリン ¥249×2
メニューのオススメ。
そして説明が記されている。
この説明がガチ中のガチなのだ。
サイゼリヤを味わい尽くしたプロのオススメ。
内容について少し解説を加えておこう。
前菜はまずサラミだ。
ここは生ハムと意見の分かれるところかもしれない。
確かにサイゼの生ハムは値段の割にかなり美味しいのだが、それでも今時生ハムなら価格は別としてもっと美味しい切りたての物がバルなどでいくらでも食べられる。
その点サイゼのようにちゃんとしたサラミを出している店は、世の中にだいぶ増えてきたとはいえまだまだ少ない。
なのでここは是非サラミで。
ルッコラが添えられているのもポイントだ。
次に、絶対に外せないのがこの青豆だ。
これは「サイゼでガバガバワインを飲むような層の人々」にたいへん人気のメニューである。
コストパフォーマンスの良さも異常と言っていい。
この青豆サラダに、ペコリーノを加えて潰すようにこねくり回し、さらにたっぷりのオリーブオイルを注ぎ込む。
これをミニフィセルと言う名のパンを手元のナイフでスライスしてたっぷり載せれば極上のブルスケッタの完成だ。
カリリと胡椒を挽くのも忘れずに。
さらに完璧を目指すなら、オーダー時にパンチェッタを抜いてもらうとなお完成度は上がる。フレッシュチーズとトマトのサラダ、すなわちカプレーゼはドレッシング抜きコールを忘れないように。
でないとせっかくの水牛モツァレラがアミノ酸&嘘レモン味の残念なドレッシングにまみれてしまうことになる。
塩と、これもまたたっぷりのオリーブオイルでお召し上がりいただきたい。
フレッシュバジルが省略されているのがたいへん残念だが、ここで活躍するのがサラミについてきたルッコラである。
ルッコラの半分はこちらの皿に移動させよう。
プリモピアットとしてパスタを選びたくなるのはやまやまかもしれないが、ここはぐっとこらえていただきたい。
心を鬼にしてあえて乱暴で不寛容な言い方をするならば
「サイゼでパスタ頼む奴はど素人」
である。
どうしてもと言うならペペロンチーノのソース抜き、すなわち茹でた麺だけとエスカルゴをオーダーし、エスカルゴのオイルパスタを作成するという超荒技もないではないが、まあそこまですることもないだろう。
なぜならミネストローネは極めて申し分ない一品だからだ。
ここに二つ目のペコリーノチーズを投入するのも悪くない。
メイン料理を選択するのにメニューの肉料理のページを開くのはあまり得策ではない。
特にそのページの主役とも言えるハンバーグは、サイゼリヤで最も頼むべきではない料理の一つである。
ここはあえて「おつまみ」のコーナーにひっそりと配置されている「粗挽きソーセージのグリル」をチョイスしておきたい。
メニュー内での位置付けとその冴えないネーミングから、どうせシャウエッセンレベルのソーセージが出てくるだけだろうと誤解しがちだが、その予想は良い方に大きく裏切られるはずだ。
出てくる物はとてもクオリティの高いサルシッチャなのだ。
みっしりと肉肉しい、ラテンならではの腸詰めである。
もちろんノンスモークで生から焼いた物だ。
こういうものは現地では極めて庶民的でざっかけない食べ物なのだが、日本のレストランで出てくると、これはいろんな事情で仕方ないのだが、ずいぶん高いものになってしまう。
ところがそれもサイゼリヤなら、巷の半値以下で食べる事ができる。
添えられたカポナータがまた嬉しい。
このカポナータにもオリーブオイルを注ぎ足し、さらに卓上の唐辛子フレークを加える事で、それはサルシッチャのための最上のソースとなる。
この通りだ。
ドルチェまでふくめて、丁寧に一つ一つ解説している。
この記事を読んで以来、青豆の温サラダとミニフィセルは必ず頼むようになり、パスタではなくミネストローネを注文するようになった。
ソーセージのグリルも、もちろんうまかった。
「サイゼは学生の頃によく通ったよな」と言って、卒サイゼしてしまっていたところがあったが、値段が安いからと言って、単なるファミレスではなく、大人こそ楽しむことができるイタリアンレストランだったのだと教えてくれたのだ。
ここまで愛の感じられるレビューはなかなかない。
「安い割にうまい」とかそういうレベルの話ではなく、イタリアの本場から見たサイゼリヤのこだわりや、メニュー全体から見た商品のクオリティ、他外食産業と比較した上で選ぶべき一品を提案している。
そして、実はこれは後編と、後日談もあり、
サイゼリヤへの気持ちを最大に感じることができる。
そして、私はこの人こそ食通だと言いたい。
値段の高いものが良いものとは限らない。
値段が低いから悪いものとは限らない。
自分の味覚を信じて、値段にとらわれず、良いものはいい、良くないものは良くないと言い切れる人こそが食通なのだ。
もし、この記事が気に入ったらぜひ過去のものも読んで見てほしい。
このブログは埋もれさせてしまいたいくないと個人的に思っている。
ずっと更新されていないのが寂しい限りです。